ピナレロスポンサードチームである愛三工業レーシングの西谷泰治選手より、正式発売前から実戦テストに使用したFP7のレポートが届きましたので紹介させていただきます。
PINARELLO FP7 インプレッション

 このFP7は‘08年11月〜‘09年1月までの約3ヶ月間、サウスチャイナシーなどの実戦も通して使用しました。ここに08年サポートモデルであるプリンスカーボン(以下プリンス)との比較を交えながらFP7インプレッションを報告させていただきます。

 乗り始めの正直な印象は「全体的にしっかりしているが特徴がつかみ難い」でした。しかしながらフレーム全体のまとまり、バランス感から言うとプリンスカーボンより完成度が高いと感じました。具体的に例を上げると、まず実戦速度からの踏み込みに対しての反応が良い点があげられ、レース中のアタック時にはそれを強く感じます。「ONDA FPX」にも迫るくらい高剛性なフロントフォークはしっかりとバイクを支えており、ダンシングで多少バイクを荒く振ってみても、なんともスムーズに前進す る力へ変えてくれるのです。高速巡航能力も高く、ギアを一定にしたタイムトライアルのような走り方が最も効果的な使い方かもしれません。また、プリンスに 比べて乗り味がマイルドなので路面の細かい振動をよく吸収し、身体、脚への負担も大幅に軽減できる点もロードレースを志す者には大きなアドバンテージにな る事と思います。ただし、踏み出しの軽さを意識する人には「プリンスカーボン」ほどのキレ味がないので、若干モタつく感じを受けると思います。実戦でいえ ばゴールスプリントなど思いっきりトルクをかけていく時などは、どちらかというとキレ勝負よりもロングスプリントで勝負したほうが良い結果が出やすいと言 えます。軽さや爆発力を求めるとプリンスには及びませんが、かといって登坂力にも差があるかというと答えはNOです。ある程度の急坂でもリズムよく上って いける感じは好印象で、長い上りであればあるほどより実感できます。

 これらの点から明らかにプリンスとFP7とでは性格が似て非なるものなので、平均的に力を発揮したいステージレースではFP7、上げるポイントを絞って勝負するような1DAYレースなどはプリンスといった使い分けもできそうです。やはりプリンスは高次元のカーボンフレームであるが故に、選手によってはオーバースペックであったり脚質に合わなかったりと使い手を選んでしまいます。その点FP7はクセのない乗り味で、あらゆるレースシーンにおいてガンガン使えるまさにオールラウンドマシンであると言えます。

 こういった事からFP7がファンライドからプロレーサーまで幅広いユーザーに支持される事は容易に想像できます。ピナレロシリーズの中で最も扱いやすく、高い技術力を体感でき、実戦に必要な戦闘力をバランス良く兼ね備えているのはFP7に他ならないからです。

 このFP7が私たちの相棒として今シーズンを共に戦ってくれる事になった今、妥協のないフレームを前に我々も一層身を引き締めて走る事をお約束します。
以上、簡単ではありますがインプレッションを終わらせていただきます。今後とも選手一同よろしくお願いいたします。ありがとうございました。


愛三レーシングチーム

西谷 泰治