[TOUR DE FRANCE 2013] ツール・ド・フランス2013第15ステージ / 「魔の山」モンヴァントゥー決戦 フルームが再びライバルを蹴散らす

追いすがるライバルを完全に黙らせるマイヨジョーヌの激走。大歓声に包まれた「魔の山」モンヴァントゥーでクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)の登坂力が炸裂した。新人賞・マイヨブランはナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)が守っている。

先頭でゴールに姿を現したクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング): photo:A.S.O.先頭でゴールに姿を現したクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング): photo:A.S.O.

ひまわり畑を南下するプロトン: photo:A.S.O.ひまわり畑を南下するプロトン: photo:A.S.O. クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)に食らいつくナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター): photo:A.S.O.クリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)に食らいつくナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター): photo:A.S.O.
頂上まで13kmを残して新人賞2位のナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)がアタック。クインターナはそのまま先頭ニエベと合流し、30秒リードでラスト10kmアーチを潜った。

ピーター・ケノー(イギリス、スカイプロサイクリング)からバトンを引き継いだリッチー・ポルト(オーストラリア、スカイプロサイクリング)のペースが、メイン集団を破壊する。新人賞2位のクインターナが残り8kmから独走に持ち込む中、新人賞3位アンドリュー・タランスキー(アメリカ、ガーミン・シャープ)が集団から遅れ、続いてマイヨブランのミカル・クヴィアトコウスキー(ポーランド、オメガファーマ・クイックステップ)も脱落した。

樹々に覆われた区間を抜け、岩肌がむき出しになった荒涼とした区間に差し掛かると、メイン集団はポルト、フルーム、アルベルト・コンタドール(スペイン、サクソ・ティンコフ)の3名に絞られる。残り7kmでポルトの牽引が終了。するとフルームが強烈なアタックを仕掛けた。
アレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がバイクの不調で交換する: (c)Makoto.AYANOアレハンドロ・バルベルデ(スペイン、モビスター)がバイクの不調で交換する: (c)Makoto.AYANO フルームに遅れを取ったナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター): (c)Makoto.AYANOフルームに遅れを取ったナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター): (c)Makoto.AYANO 食らいつくコンタドールをハイケイデンスのシッティングで振り切ったフルームは、先頭クインターナをキャッチ。観客に覆われた禿げ山を、フルームとクインターナが高速で駆け上がる。

何度かアタックを仕掛けたフルームに反応するクインターナ。しかしラスト1300mでのマイヨジョーヌの加速に、ついにクインターナが千切れる。「ステージ優勝が見えていたけど、力が足りなかった。全力を尽くしたものの、長くて速いステージも影響し、疲れきっていた」と語るクインターナがスピードを失った。

コンタドールを引き離し、クインターナを振り切ったフルームがモンヴァントゥー頂上に向けて猛進。最終的にクインターナを29秒、そしてコンタドールを抜いたニエベとホアキン・ロドリゲス(スペイン、カチューシャ)を1分23秒引き離してゴール。歓喜のガッツポーズが決まった。
モンヴァントゥーを独走で登るクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)の後ろ姿: (c)Makoto.AYANOモンヴァントゥーを独走で登るクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)の後ろ姿: (c)Makoto.AYANO 総合リードを広げたクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング): photo:A.S.O.総合リードを広げたクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング): photo:A.S.O.
ステージ優勝・総合1位・山岳賞のクリス・フルーム(イギリス、スカイプロサイクリング)
今日の山岳ステージは、100回記念大会のものであるという意味で、かなり歴史的な価値が高い。このステージで勝てるとは思っていなかった。総合成績でリードを広げようと思っていただけで、ステージ優勝できるとは思っていなかった。ナイロ・クインターナ(コロンビア、モビスター)は本当に強いクライマーだ。

彼があんなに速く走るなんて思っていなかった。すごい走りをして、その実力を示してくれた。クインターナに追いついたときは「この選手が今日のステージ優勝になりそうだから、ぼくは2位を狙うべきだ」と思った。でも、その後の残り2kmで、彼は少し消耗していて、ぼくにはまだ少し余力があった。

そこで「なあ、あとちょっとがんばろう……もう少しだ……」と声を掛けたのだけど、彼は後ろに下がっていってしまった。終盤では、自分はアタックしたつもりはない。単にクインターナが後ろにまったく付いてこられなくなって、ギャップが開いていったのだと思う。