MENU
scroll

【フルクラム:ライダーインプレション】サポートするKINAN Racing Teamによるホイール・インプレッション

  • FULCRUM
  • 特集

KINAN Racing Team
フルクラムホイール
インプレッション

FULCRUM-LOGO

長きに渡りKINAN Racing Teamの走りを支えるフルクラム

2016年1月からKINAN Racing Teamをサポートしているフルクラムのホイールは、トータルバランスに優れ、ディスクブレーキがメインストリームになった現在もマーケット随一の完成度を誇ります。勝敗に直結する走行性能や耐久性だけでなく、日々のメンテナンス面からもプロチームを満足させるホイールです。長年フルクラムホイールを採用するチームだからこその、旧モデルとの比較や、トレーニングやレースといった異なるライディング・シチュエーションで使用する中で得た、フルクラムの各ホイールの印象をレポートしてくれましたので、こちらでご紹介いたします。
一般のサイクリストの皆様にとって、ホイール選びの参考になること間違いなしのKINAN Racing Teamの選手によるインプレッションを是非ご覧ください。


FULCRUM WHEEL IMPRESSION

フルクラムホイールのラインナップについて

エアロダイナミクスを向上させるハイトの高いモデル、山岳コースに有利な軽量モデルといったモデルのすみ分けは勿論のこと、トレンドをおさえたワイドリム、CULT / USBといった高度なセラミック・ベアリング・テクノロジー、クリンチャー / チューブレス / チューブレス・レディに対応するなど、多種多様な製品ラインナップを揃えてくださることで、ライダーの体重や出走レースの種類、脚質や技量に応じて選択肢が広がり、人を選ぶことなく選びやすく、紹介しやすいラインナップになっていると感じます。


New Speed 42について

リムブレーキホイールからディスクブレーキホイールに切り替わっていく中で、やや希薄になりつつあった”フルクラムらしさ”を取り戻したと強く印象付けるホイールで、具体的に挙げるのであれば剛性感が高く、踏み込んだ際の反応性が非常に良好です。
感覚的な表現ですが、踏み込みに対して素直に推進力に変換され進んでくれるので、登りの急勾配でもシッティングのまま安定して踏み続けることが出来ます。また、バイクを倒したり、ダンシングで入力の方向が変わった際にも、力が逃げることなく高回転でペダリングしてもムラなく進む感覚があります。

空気抵抗の観点から見ると、下りで伸びる感覚が飛躍的に向上。コーナリングが得意ではない選手が驚くほど切れ良く曲がることが出来るコーナリング性能を備え、28Cタイヤであれば抜群の安定性、25Cにサイズダウンしても全く不安なくレースに使用する事ができる安定感を得られています。

2023年6月の全日本選手権ロードで使用した感想ですが、コーナーのバイクコントロールは旧モデルのSPEED 40と比較して大幅に向上しており、ホイールの剛性感も相まって、路面のグリップ感をダイレクトに感じられ、不安なくバイクを倒しこむことが出来ました。コーナリング中は、他の選手より内側に切り込むことが出来るため、走行距離を短くし、ロスを削減することで、脚を温存出来たように感じました。
また、他の選手から下りもしくはコーナーが遅いと認識されている選手が、進化した下りのスピードについて聞かれるほどのアドバンテージを持ち、タイムを稼ぎつつ脚を温存していける感覚です。

あえて注意点を挙げるのであれば、非常に高い剛性感を備えているが故に、フルスロットルで踏み続けると脚へのダメージも大きいように感じます。ですがこれは対策が可能で、快適性に優れるワイドなチューブレスタイヤ / チューブレス・レディタイヤを装着することで、マイルドな乗り味に調整出来るはずです。非常に剛性に優れるホイールとの組み合わせだからこそ可能な調整方法で、パワーロスも少なくしつつ、快適性も確保出来る方法です。また、レースのみの使用ではなくトレーニングから使用し、剛性感に慣れると共に、しっかりとした体づくりをした上で、本番にも使用する事でも払拭できると思います。


Speed 25について

フルクラムのホイールラインナップにおいて、最も軽量なホイール。
軽量性に特化しているため、ホビーレーサーに人気のヒルクライムレースに最もおすすめできるクライミング・ホイール。プロライダーが走る通常のロードレースでは、エアロダイナミクス効果が高いホイールの方が有利とされており、使用頻度は低くなってしまいますが、登りの厳しいコースやヒルクライムレースでは、その良さを発揮してくれます。


SPEED 40 / SPEED 55について

厳しい登りやアップダウンのコースであっても、ダンシングの振りが軽く使いやすいSPEED 40と、平坦でのスピードの乗りが格別なSPEEED 55。
どちらのホイールも、そのリムハイトの割に軽く感じるホイールで、使用シーンを制限することなく使いやすい万能なホイールです。


SPEED 40は、上記のSpeed 42で触れましたが、ややマイルドで程よい剛性感が特徴。レースは勿論、エンデュランスライドにも合いますし、ロングライドでも疲れを感じさせません。ライドの最後まで疲労をためたくない方におすすめです。

逆にSPEED 55は、そのリムハイトからか剛性がとても高いホイールだと感じます。SPEED 40と比較しても平坦での伸びは確かな差があります。高剛性故にアップダウンのコースや、ハードな展開が続くと疲労の蓄積が早く感じますが、それを理解しつつも伸びの良いその走りから、レースの度にホイール選択には悩むところ…贅沢な悩みですね。

SPEED 40 / SPEED55ともに扱いやすさ、転がりや進みの良さは共通で、キャラクターの違いはあれども、どちらも扱いやすく、おすすめしやすいホイールです。


アッセンブルについて

2023年よりバイクブランドが変更になり、以前と同じホイールでもフィーリングが大きく変わった印象です。
セミエアロフレームに変更され、気づいた点をまとめてみました。

インナーリム幅19mmのホイールをアッセンブルした際、バランスやリズムが若干合わなくなってきた印象を受けます。これはフレームの直進性能が向上し、横振りを抑えて乗るというトレンドに対して、ホイールが横振りも軽く優れているためそう感じるように思えます。
昨今のエアロバイクでは、ダンシングよりシッティングを多用し、一定のパワーで走る事に重点を置いているバイクブランドが多い中で、ホイールも振りの軽さより直進性に優れるタイプとのアッセンブルがマッチする印象です。

上記のような点を加味すると、以前インプレでお借りした、フルクラムカーボンホイールのエントリーグレードであるAIRBEAT 400 DBは、廉価帯ながらトレンドをおさえたエアロフレームとは相性が良いと感じます。リム幅のトレンド、拡大化をインプレ記事や開発データで見る事はありましたが、今期のフレームとフルクラムの組合せ、更にはSPEED 40 / 55 と、最新のSpeed 42の乗り比べをするようになり、選手の体感としても大きな差を感じているようです 。それだけ新しいモデルの大きな進化が、リムの高さの差だけではないという印象を強く持ちます。最先端でトレンドを掴んでいるという印象で、Speed 57にも大変期待をしています 。


KINAN Racing Teamのインプレッションはいかがだったでしょう?
プロサイクリストの貴重なフィードバックは、皆さんのホイール選びの参考になりましたか?
ホイールは自転車の走りや性格を大きく変化させる重要なパーツです。ご自身のライディングシチュエーションに応じた、走り方にぴったりハマるホイールセットを見つけてください。


TEXT: Tetuya Ishida (KINAN Racing Team)
PHOTO: Syunsuke Fukumitsu
EDIT: Hirofumi Fukuda


リンク
KINAN Racing Team
FULCRUM

販売店を探す SHOP LIST

地域
都道府県

お探しのブランドを選択してください